メタバースは何ができる?具体的な8事例とメリット・デメリット・将来性を解説!

メタバースとは、人々が仮想的な空間で他の人々やオブジェクトとインタラクションをすることができるようになる技術です。これまでのオンライン空間とは異なり、リアルタイムでのコミュニケーションやインタラクションが可能であり、自分自身をカスタマイズできるバーチャルアバターを使用することもできます。

この記事では、メタバースで実現できる具体的な事例を紹介します。例えば、メタバース内でのショッピングやビジネスの取引、他のユーザーとのリアルタイムでのコミュニケーションや協働作業、ゲームやエンターテインメントの体験、リアルな空間での視覚化やシミュレーション、独自のアバターを作成して自己表現することなどです。

また、この記事を読むことで、メタバースのメリット・デメリットについても理解できます。例えば、メタバースを利用することで、現実世界では難しい体験をすることができたり、新しいビジネスモデルを構築することができたりするというメリットがあります。一方で、メタバースには社会的、経済的な問題も存在するため、デメリットについても理解する必要があります。

メタバースという新しい世界についてより深く理解し、将来的に活用するためのヒントを得ていただければ幸いです。

目次

メタバースとは?ビジネス展開にも使われる未来の技術

メタバースとは?ビジネス展開にも使われる未来の技術

メタバースとは、オンラインゲームの世界からバーチャルリアリティ技術を用いたシミュレーションまで、仮想空間で人々が交流するための技術です。進化を続けるこの技術は、ビジネス展開を中心に様々な業界で採用されることが予想されます。ここでは、メタバースの基本的な考え方、ビジネス開発での活用方法、そしてメタバースが未来の技術である理由を解説します。

メタバースが持つ意味とは?

「メタバース(Metaverse)」という言葉は、接頭語の「メタ(Meta)」(超えるという意味)と「ユニバース(Uniberse)」の合成語で、ユーザー同士が交流し、アプリやサービスと関わり、独自のコンテンツを作成することができる仮想世界を指す言葉として使われています。仮想現実の世界と似ていますが、いくつかの点で異なります。

仮想世界全体を再現してユーザーが探索するバーチャルリアリティとは異なり、メタバースは、その世界の中で個々の瞬間を体験するものです。例えば、メタバースには、バーチャルリアリティのショッピングモール、バーチャルゲーム、バーチャルオフィスなどが考えられます。このような場合、ユーザーは必要に応じてメタバース内の各仮想空間にログインしたり、ログアウトしたりします。

ユーザーは、メタバース内の個々の空間を訪れるだけでなく、アバターをカスタマイズすることで、同じ世界の中でさまざまな姿や大きさに変化させることができます。さらに、環境を操作して、他の人やモノと交流することも可能です。

メタバースの基本的なことについて知りたい方に向けて、分かりやすく記事にまとめました。
ぜひ併せてお読みください。

メタバースとは何か?わかりやすく意味や歴史、代表例を解説します!

メタバースの基本的な概念とは?

メタバースとは、独自の法則やルールを持つ3次元世界のシミュレーションのことです。2003年にアメリカで生まれ2005年に日本でも一大ブームとなったSecond LifeやWorld of Warcraftなどの多人数同時参加型オンライン・ロールプレイングゲームの広大なネットワークを指す言葉としてよく使われています。

これまではメタバースといえば海外のプラットフォームが中心でしたが、日本国内では2022年にドコモがメタバース事業に600億円の投資を行い、早々に「XR World」をリリース。続く形でauも「αU (アルファユー)」を発表と大手通信会社も参入し2023年は「メタバース戦国時代」と言えるかもしれません。

NTTドコモ 仮想空間メタバース事業に本格参入 総額600億円投資

メタバース・Web3サービス「αU」始動

メタバースという言葉は、ニール・スティーブンソンの1982年の小説『スノー・クラッシュ』で初めて使われたとされています。スティーブンソンのメタバースは、登場人物が退屈な全体主義の現実から逃れるために行くことができる仮想の場所でした。SF映画でもバーチャル空間にダイブするシーンが度々描かれていますが、まさにそれらもメタバースと言えるのではないでしょうか。

また、メタバースは多くの産業で活用することができます。例えば、医療や教育、地方創生やインバウンド、ショッピングなどの目的でバーチャルリアリティ体験を提供するために利用することができます。さらに、群衆のシミュレーションや、ゲームやエンターテインメント体験にも利用できます。

メタバースはまだ発展途上にあることから後付で「あれもメタバースだった」とされることが多いですが、世界最古のVtuberとして有名な「バーチャル美少女ねむ」さんの著書「メタバース進化論」内で以下がメタバースを定義づけるもととしています。

  • 空間性:三次元の空間の広がりのある世界
  • 自己同一性:自分のアイデンティティを投影した唯一無二の自由なアバターの姿で存在できる世界
  • 大規模同時接続性:大量のユーザーがリアルタイムに同じ場所に集まることのできる世界
  • 創造性:プラットフォームによりコンテンツが提供されるだけでなく、ユーザー自身が自由にコンテンツを持ち込んだり創造できる世界
  • 経済性:ユーザー同士でコンテンツ・サービス・お金を交換でき、現実と同じように経済活動をして暮らしていける世界
  • アクセス性:スマートフォン・PC・AR/VRなど、目的に応じて最適なアクセス手段を選ぶことができ、物理現実と仮想現実が垣根なくつながる世界
  • 没入性:アクセス手段の一つとしてAR/VRなどの没入手段が用意されており、まるで実際にその世界にいるかのような没入感のある充実した体験ができる世界

また、世界最大規模のICT(情報通信技術)のアドバイザリー企業であるガートナー株式会社のバイスプレジデント・アナリストであるマーティ・レズニック氏はメタバースの定義として以下のような見解を示しています。

  • インタラクション(二つ以上のものが互いに影響を及ぼしあうこと)が可能であること
  • 相互運用性があること
  • 没入感があること
  • アイデンティティを管理できること
  • クリエイターエコノミーをサポートすること

共通する項目が多いことからも、従来のオンラインゲームなどとは一線を画すテクノロジーであることがうかがえます。

同社によると「2026年までに、人々の25%は、仕事、ショッピング、教育、ソーシャルやエンターテインメントなどに、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになる。」との予測を発表していることから、今急速にメタバースが広まっていることが分かります。

もしかしたら、「当たり前に使っていたサービスがメタバースだった」というように、メタバースという言葉よりもテクノロジーが浸透してゆくという方が正しいのかもしれません。

→参考記事:Gartner、メタバースに関する展望を発表 - 2026年までに、人々の4分の1は、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになる

なぜ、メタバースが事業開発に活用されるのか?

技術の進歩に伴い、企業や個人が自らの目的のためにメタバースを利用する可能性も高まっています。既に海外を中心にメタバースを利用してオンラインショップのバーチャル版を構築し、顧客の行動を調査すること。また、多様な場所で働く従業員をつなぎ、eコマースを開発し、ブランドがより広い市場に参入するためのプラットフォームを提供するために利用される事例が増えています。

さらに、メタバースは、ビデオアプリやボイスオーバーIP(VoIP)などのソーシャル・メディアやコミュニケーション・メディアの開発にも利用することができることが期待されています。

ユニティ・テクノロジーズ社のCEOであるジョン・リシテロ氏は、「メタバースはインターネットの「統一層」として捉えることができ、人々は仮想空間で互いにつながっていたいという欲求を持っている」と説明しています。メタバースは、人々に新しいつながり方を与え、より有意義な関係を作ることができるということです。

※Unityはメタバースの開発ツールの一つとして広く使われています。

また、同氏は「メタバースの最もエキサイティングな部分は、それが私たちの人間関係に意味するかもしれないことです。つまり、”一緒にいなくても、一緒にいるように感じる”ことができるようになるかもしれない」といいます。メタバースを利用することで、人々は人間関係を築き、他の人々の経験から洞察を得て、コミュニティベースのプロジェクトに大きな力を与えることができるのです。

これは、2021年に世界中が一気にメタバースという言葉を知る切っ掛けとなった元Facebook社のMetaへの社名変更の発表会で流れた映像でもスポーツ選出と疑似的に競技をするシーンでも確認することが出来ます。

「行きたくてもいけない」、「会いたいけど会えない」「体験する機会がない」などがメタバースを通して解消でき、国内のみならず国境すら超えたよりグローバルな展開への活用が期待されています。

メタバースとVRの違いとは?

メタバースもVRも、ユーザーが探索するために異なる現実を作り出しますが、両者にはいくつかの重要な相違点があります。バーチャルリアリティでは、ユーザーは完全にコンピュータで生成された環境に没入します。この技術では、高解像度の画像と音声を使用して、ユーザーが体験できるリアルなシミュレーションを作成します。

これに対して、メタバースは、完全なバーチャルリアリティを実現することに重点を置いていません。その代わりに、より大きな共通の空間の中で、個々の世界へのアクセスをユーザーに提供することに重点を置いています。また、ユーザーは自分のアバターをカスタマイズし、環境を操作し、他のプレイヤーやオブジェクトと交流することができます。

また、メタバースは、開発者が独自の製品やサービスを作り、マネタイズするためのプラットフォームを提供します。ユーザーは、自分のアバターを作り、世界をカスタマイズし、独自のゲームも作ることができます。さらに、開発者は、製品やサービスを収益化する仮想店舗などのアプリケーションを作成することができます。

ただし、近年はVR対応のメタバースが増え、どっちがどっちというよりも、組み合わせて体験価値を提供するケースが増えてきています。


メタバースは、ビジネス展開に活用できる可能性を秘めた、エキサイティングなテクノロジーの発展です。メタバースの仕組みやビジネス展開への活用方法を理解し、必要なツールやサービスを手元に置くことで、企業はメタバースのテクノロジーを使ってより広い市場にアプローチし、有意義な関係を築くことが期待されています。

進化し続ける未来のテクノロジーにおいて、メタバースは私たちのつながりを維持し、私たちの間のギャップを埋めるのに役立つことでしょう。

メタバースでできること・今どこで活用されているのか

メタバースの可能性

メタバースでできることとしては、ビジネス展開やゲーム、アバター活用などがあります。例えば、ビジネス展開では、商品の販売やイベントの開催など、現実世界でのビジネスと同様の活動をメタバースで行うことができます。また、ゲームでは、現実世界では不可能な冒険や体験を楽しむことができます。そして、アバター活用では、自分自身をカスタマイズして他の人々とのコミュニケーションを深めたり、ビジネスでの活用などが期待されています。

ここでは、メタバースでできることについて具体的に理解を深めることができます。また、それぞれの活用方法や特徴についても解説します。メタバースの可能性や魅力に興味がある方は、具体的な活用方法や事例を知ることで、自分自身の活用方法について考えるきっかけやアイデアを得ていただけたら幸いです。

現在おもにメタバースが使われるシーン

まずは、現在おもにどのようなシーンでメタバースが利用されているのか。代表的なものをいくつかごしょうかいします。

ゲーム

メタバースゲームRoblox
筆者が子供と一緒に作っているメタバースゲーム「Roblox」のステージ

分かりやすく言うとオンラインゲームのようにその世界につないで遊びます。

メタバースゲームは企業が提供しているものから、ユーザーが自由に公開できるものまで無数にあります。
一例は以下の記事に掲載してあるので、ぜひ併せてお読みください。

メタバースに必要なもの・始め方:初心者向けおすすめ機材、プラットフォームを紹介

他のユーザーとの交流

主催するオンラインスクールでメタバース体験した時の様子
主催するオンラインスクールでメタバース体験した時の様子

メタバースには国境がないので、国籍関係なく誰とでもその場で交流ができます。

「VRchat」がコミュニケーションがメインの方におすすめですが、原則としてどのメタバースでもチャットや通話機能が備わっているので、気軽にコミュニケーションがとれるようになっています。

音楽を知らなくてもVR楽器で自由にセッションできる「おとあそびえんと」 #VRChat

イベント参加・主催

vket
来場者週でギネス認定されているVRchatの「バーチャルマーケット」

個人から行政や企業まで様々なイベントが開催されています。

国内ですと、地方創生を中心に「足を運ばずとも体験できる場の提供」として活用される事例が多いです。他にも「婚活イベント」(僕の友人が独身なので参加を勧めたところ、年齢が合わず参加できませんでしたが)、「アバター販売会」「音楽イベント」などたくさんのイベントが実は開催されています。

一例:メタバース都市『Oasis TOKYO』、MIYAVIとのコラボが決定!

観光

バーチャルOKINAWA
沖縄発のメタバース「バーチャルOKINAWA」

メタバース観光として、「時間や場所、情勢、身体的事情などを問わず誰でも参加できる」というメリットがあります。メタバース=非現実的な世界というイメージが強いと思いますが、現実世界を疑似体験できるものがあります。

沖縄の自然や文化を体験できる あしびカンパニーの「バーチャルOKINAWA」
バーチャルOKINAWA公式サイト

メタバースによる旅の拡張体験を提供する ANAの「ANA NEO」
ANA NEO公式サイト

観光庁、DX地域活性化実証で8事業を採択、観光音声メタバースやサイクリングDXなど

この他にも地方創生と組み合わせた様々な観光ができるメタバースがあります。

ゲームやワールドの制作

Unity
Unityでメタバースの設計をしているところ

ノーコードの開発ツールが多く提供されているので、誰でも作る側に回れます。Unityなど多くのメタバースと親和性の高いツールを使い、ワールドやアイテムを制作・販売することも出来ます。

他にも「Roblox」などメタバースプラットフォーム独自の開発ツールを提供しているケースも多くあり、その場合はそのプラットフォーム内で公開して他のユーザーに遊ぶなどの提供をしながら収益化が出来たりもします。

NFTの売買や展示会

NFT展示会
NFTの活用事例が一挙に展示された「Japan NFT expo inメタバース」

ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)のデジタルコンテンツの展示や販売など。全てのメタバースが対応しているわけではないですが、仮想通貨を用いたNFTの取引ができるメタバース上で行われることも多いです。

NFT=アートと捉えられがちですが、楽曲やメタバース内で設置できる3DCG(例えば建物とか)などもNFTのマーケットプレイスもしくは対応するメタバース内で売買できます。

バーチャルオフィスなどビジネス利用

主催するオンラインスクールのセミナー打ち合わせの様子
主催するオンラインスクールのセミナー打ち合わせの様子

出社せずともオンライン上のオフィスにアクセスし、会議をするなどです。メタバースを使うメリットとして、ZOOMなどのように接続する全員に声が届いてしまったりしないこと。現実世界と同じように隣に移動して話しかけたり、場所を変えて外には音がもれないようにして打ち合わせを行うことが出来ます。(全体に声を届けることも出来ます)

Eコマース・サービスの提供

バーチャル三越
本物の売り場そっくりの体験ができる「バーチャル三越」

ファッションブランドを中心に、メタバース上でのショッピング体験ができる機会が増えてきています。国内では三越などが挙げられますが、ブランドイメージ向上の目的で使われるケースもあります。まだ機材を揃えるのはコストが掛かりますが、モーションキャプチャーと組合われば「メタバースヨガ教室」のようなものも出来ます。

これまでの「オンラインでできることといえば、これ」と限定されてきたものがかなりなくなったのがメタバースです。事例はどんどん増えてきていますが、「発想次第で使い方無限大」とも言えます。

アバターを使ったコミュニケーションの実現

アバターの活用は、メタバースにおける一般的なコミュニケーション手段です。アバターは、ユーザーが自分自身のデジタル表現をカスタマイズして作成することができます。これは、人々が実生活で自分自身を表現する方法と似ており、スタイル、服装、髪型、化粧などをパーソナライズすることができます。このように、アバターはメタバースで自分を表現し、他の人とのコミュニケーションを深めるために利用することができます。また、本サービスを通じて、ユーザーはアバターを利用して商品やサービスのプロモーションを行うことも可能です。

「なりたい自分になれる」ことがアバター最大の魅力です。性別も国籍も種族も全て自分の思いのまま。極端な話ですが「コスプレをしてみたかったけど恥ずかしくてできなかった」なんて方もメタバースではどんな格好をしても自由です。「表現・あり方の自由」が体現されるのがアバターなのです。

事業開発におけるメタバースの活用事例

メタバースは、商品の売買やイベントの開催など、現実世界と同じような活動を行うことができ、ビジネス展開の新たな場所として注目されています。例えば、メタバース「Sandbox」では、ユーザーは仮想の土地や、NFT(Non-Fungible Token)を売買することができます。NFTは、ブロックチェーンで保護されたユニークなデジタル資産です。つまり、ユーザーはメタバースでのゲーム内体験を簡単にマネタイズできるのです。

この他にも「メタバース内で購入したアイテムと同じものが現実世界でも届く(例えばファッション)」のサービス展開を発表するなど、先のアバターとセットのアイテムを身につけるなんてことが当たり前になるかもしれません。

ファッションや音楽をエンタメ業界を中心にリアル同様にイベント開催をしたり、アイテムを発表するなど様々なビジネスでの活用がされています。

メタバースで提供される新しい体験とは?

メタバースは、現実世界では不可能な新しい体験を無限に提供します。仮想現実のゲームからインタラクティブなアバターまで、メタバースではさまざまな体験を楽しむことができます。

例えば、BrainChipは、音声、視覚、テキストデータを処理、シミュレートし、ほぼ瞬時に結果を提供するための第2世代プラットフォームを準備しています。また、アバターはデータ収集のために、マーケティングなどに利用することができます。仮想現実では、開発者や他のユーザーによって作られた世界全体を探索することができます。

近年ではAIの進歩が凄まじく、同じ声で外国語で翻訳する機能なども発展していることから「メタバース上で国すらも簡単にまたいだコミュニケーションやビジネス、エンターテインメント体験が誰でも手軽にできる」時代の実現はそう遠くないと言えるのではないでしょうか。

BrainChip公式サイトはコチラ(英文)

メタバースが活用される業界とは?

メタバースは、ゲーム、エンターテインメント、マーケティング、ビジネスなど、複数の業界で活用されています。ゲーム業界では、没入感のあるインタラクティブな体験を実現するためにメタバースが活用されており、多くのゲーム開発者がメタバースのコンセプトに基づいてゲームを構築しています。

エンターテインメント業界では、バーチャルイベントやコンサートがメタバースで行われるようになり、参加者に完全な没入感とインタラクティブな体験を提供しています。マーケティング分野では、ブランドがメタバースのゲーム的側面を利用して、本質的に仮想的で没入感のあるスポンサーシップとなるブランデッド体験を提供するようになっています。

例えば、ナイキは、メタバースの力を利用して没入型のスポンサーシップに成功しているブランドの一つです。最後に、企業はメタバースを活用してオンライン会議やカンファレンスを実施し、世界のさまざまな地域から個人が集まり、リアルタイムでコラボレーションを行うことができます。

メタバースを活用する企業とその取り組みとは?

メタバースの威力を知る企業が増えるにつれ、その活用方法を模索する企業も増えています。RobloxとEpic Gamesは、メタバースにおける代表的なプラットフォームであり、可能性の限界に挑戦しています。

Robloxは、ユーザーがカスタマイズできる深いインタラクティブな体験を提供するプラットフォームを作り上げ、Epic Gamesは、ゲームコンテンツの探索やプレイに使用されるメタバースプラットフォームを開発しました。

その他、Google、Amazon、Microsoftなどの企業も、自社の製品やサービスにメタバースを取り入れています。ビジネス分野では、多くの企業がメタバースを利用して、仮想会議やカンファレンスを円滑に進めています。さらに、仮想コラボレーションとチームの生産性に焦点を当てた企業向けアプリケーションや、遠隔トレーニングや教育に使用するソリューションも登場し始めています。


メタバースの可能性は、まさに無限大です。ゲームからビジネス、コミュニケーションなど、メタバースでできることは多岐にわたります。アバター活用からビジネス展開、さまざまな体験の模索まで、メタバースでできることをご紹介しました。

メタバースのメリットとは?ビジネス展開や新しい体験を考える

メタバース利用イメージ

メタバースは、現実世界では不可能な体験や冒険を楽しむことができることが一般的に知られていますが、それだけではありません。ビジネス展開や教育、医療分野での利用など、様々な分野でメリットがあります。

例えば、メタバース上では、地理的な制約を受けずに様々な国や地域の人々と交流ができるため、グローバルビジネス展開が容易になります。また、現実世界では販売が難しい製品やサービスを販売することができるなど、ビジネス展開にも新しい可能性をもたらしています。

このパートを読むことで、メタバースが持つビジネス展開や新しい体験などのメリットについて理解を深めることができます。メタバースの可能性をより具体的にイメージし、ビジネス展開や新しい体験など、自分自身がメタバースを活用する上でのアイデアや可能性を探ってみましょう。

メタバースが提供する新しいビジネスチャンスとは?

メタバースは様々なビジネスチャンスを提供してくれます。最も明白な利点の1つは、地理的な制約を受けずに、異なる国や文化の人々と交流できることです。これにより、グローバルなビジネス展開が容易になり、企業は新しい顧客を獲得し、市場シェアを拡大することができるようになります。

さらに、メタバースでは、バーチャルな製品や体験など、物理的な世界では販売することが難しい新しい製品やサービスを生み出すことができ、これは非常に価値のあるものになります。また、メタバースは、ユニークな体験やマーケットプレイスを創造する機会を企業に提供し、ブランドの認知度や顧客ロイヤリティを高めることを可能にします。

こうしたことから、国内でも通信会社を始め、金融機関、アパレル、建築、不動産、自動車、百貨店、航空会社など大手企業が続々と参入しています。

メタバースの活用が今後期待されているものは以下の通りです。

  • オンライン教育(体験的教育会など)
  • 医療健康(遠隔医療など)
  • 旅行(認知向上など)
  • ゲーム・アミューズメント(実社会的コミュニケーションの提供など)
  • オフィスワーク(自由度が高い労働環境など)
  • リテール(顧客の商品選択時の満足度向上など)
  • ロジステックス(作業手順の最適化など)
  • 土木・建設(完成イメージの共有など)
  • 製造現場(短時間での技能伝承・リスクリングなど)

メタバースが持つ新しい体験の可能性とは?

メタバースは、新しい体験の可能性を数多く提供しています。メタバースでは、バーチャルコンサートのようなカスタムメイドのバーチャル体験を、地理的な制約を最小限に抑えて世界中の人々と一緒に楽しむことができます。

また、メタバースを利用して、新しいインタラクティブなビデオゲームやシミュレーションを作成し、ユーザーは全く新しい体験を探求することができるようになります。また、メタバースを利用したバーチャル教室の構築により、遠隔地から新しいスキルを学び、知識を深めることも可能です。


メタバースは、ビジネス展開や新しい体験の可能性など、さまざまなメリットをもたらします。グローバルなビジネスの成長を促進し、仮想体験を創造し、仮想教室を提供する能力を持つメタバースは、新しいビジネスや体験の可能性を秘めたパワーハウスとして急速に普及しつつあります。

メタバースのデメリットとは?課題を知る

メタバース利用イメージ

メタバースは、現実世界では実現できない体験や冒険を楽しめることができますが、一方で、現実世界では考慮しなければならない課題も多数存在します。

例えば、データプライバシーや情報セキュリティ、健康への影響など、様々な問題点が指摘されています。また、メタバースにおいては、プラットフォームや通貨の覇権争いや、それに伴う経済的なリスクも存在します。

このパートを読むことで、メタバースが抱えるデメリットや課題について理解を深めることができます。メタバースが抱える現状を把握するで、これらの問題点に対処するために必要な対策や、今後の技術的な進展がどのように進んでいくのかを考えてみてください。

メタバースが抱える技術的な課題とは?

メタバースには、さまざまなハードウェアやソフトウェアとの互換性の確保、接続の安定性、セキュリティ、プライバシー、改ざん防止対策など、解決しなければならない技術的課題が数多くあります。

さらに、メタバースで最高のビジュアルを実現するためには、グラフィックスカードやプロセッサのパワーを活用し、コンテンツを素早くレンダリングする能力も考慮する必要があります。多くのプラットフォームがすでにこれらの問題に取り組んでいますが、大ヒット映画やビデオゲームで見られるような高品質のグラフィックスを実現するには、この空間はまだ遠い道のりです。

メタバースは、構造的・グラフィカルな問題に加えて、マルウェアやランサムウェアなどのサイバー攻撃にもさらされやすい点も指摘されています。仮想世界は、その相互接続性から、こうした攻撃に対して特に脆弱であり、セキュリティの侵害は広範囲に影響を及ぼす可能性があります。

この脆弱性は、不安定な接続を悪用したり、ユーザーデータを盗んだりすることで、メタバースに混乱をもたらす可能性があります。より多くの人々がメタバースに参加するようになった今、サイバー関連の問題に直面しないよう、あらゆる予防措置を講じることが不可欠です。

メタバースが持つ社会的な問題点とは?

メタバースにも社会的な問題はあります。人と人との交流にユニークな機会を与えてくれるとはいえ、対処すべき問題もあるのです。例えば、メタバースでは新しい出会いがある一方で、悪意のある行動や荒らしに遭う可能性があります。

また、一部のメタバースプラットフォームではセクシャルハラスメントが報告されており、アバターの陰に隠れて無防備なユーザーに接触することが容易にできることも注意が必要です。また、仮想体験の中毒性を高める可能性も懸念されます。ユーザーはこうした体験に飲み込まれ、何時間もデジタルワールドに没頭してしまう可能性があるからです。

さらに、メタバース体験のマネタイズに関する課題もあり。マネタイズモデルでは、ユーザーが仮想グッズを購入する必要がある場合が多く、金融サービスへのアクセスが限られている国のユーザーにとっては、困難な障害となる可能性があります。

また、現在のメタバースの経済・政治情勢は不安定であり、ユーザーは脆弱でリスクにさらされる可能性があります。とくに仮想通貨はレートの変動が激しいことから安定した通貨としてはかなり疑問点が残ります。Web3の概念にあるように企業は、公平性、安全性、透明性が高く、ユーザーの利益を守ることができるシステムの構築に取り組むことが必要になってきます。

また、アバターでの活動になることから「秘匿性」が高いため、コミュニケーションのとり方や倫理観や常識問題などSNSと同様にトラブルが起こる可能性が高いことにも留意が必要です。よりリアリティーのある体験ができる反面、現実世界同様にお互いへの配慮や思いやりなど人間的な面や尊重は大事なポイントです。


メタバースは、現実世界では味わえない、まったく新しい可能性と体験を提供してくれます。しかし、メタバースを受け入れる前に、それがもたらす課題を考え、実際に解決するための努力をしなければなりません。

互換性、グラフィックス、セキュリティといった技術的な問題はもちろん、悪意のある行動、中毒、マネタイズといった社会的な問題にも対応し、解決策を練る必要があります。適切な対策を講じることで、メタバースは、誰もが課題から解放され、安心して探索し、楽しむことができるプラットフォームとなり得るのです。

メタバースでできるビジネスの可能性とは?事例から考える

メタバースのビジネスの可能性

過去には、仮想世界や拡張現実はゲーマーだけが探求するものと見なされ、企業はそのアイデアを受け入れることを躊躇していました。しかし、最近では、メタバースがあらゆる規模の組織で、その潜在的な用途やビジネスチャンスとして認識されるようになってきています。

しかし、メタバースで何ができるのか、その潜在的なビジネスの可能性にはどのようなものがあるのでしょうか。ある事例から考えてみましょう。

メタバースを用いた新しいビジネスの形とは?

メタバースの主な目的は、ユーザーにとってより有意義で、視覚的で、インタラクティブな体験を可能にする共有デジタルネットワークを構築することである。メタバースは、バーチャルリアリティ、オーグメンテッドリアリティ、ホログラムなどの最近の技術開発を活用し、これまでの伝統的な形式よりもはるかに可能性のある新しいビジネス形態を創造します。

例えば、企業はメタバースを利用して、仮想イベントの開催、カスタマーサポートの維持、仮想店舗やソーシャルネットワークの構築、仮想教室や受講者の作成、従業員のトレーニングや教育、インタラクティブメディアの使用、仮想会議の促進など、さまざまなことができます。

メタバースでは、物理的な世界では実現できない没入感やインタラクティブな体験が可能になり、まったく新しい形のビジネス取引を生み出す可能性が広げられるのです。

メタバースを活用した事例とその成功の理由とは?

メタバースを活用したビジネスの例は、すでに数多くあります。例えば、T-Mobileは、メタバース内に自社のバーチャル店舗を持ち、店舗内のインタラクティブなツアーを提供しています。フォルクスワーゲンは、メタバース内に自社のバーチャルショールームを持ち、顧客が購入前に各アイテムを詳しく調べることができるリアルな自動車ショールーム体験をシミュレートしています。

ファッション業界もいち早くメタバースの恩恵を受けている。高級ファッションブランドのグッチは、没入型3D技術、ファッションショー、インタラクティブなイベントを融合させた野心的なバーチャル・セットアップを公開しました。例えば、顧客はグッチの最新コレクションを一対一で見ることができるバーチャル・ファッションショーにアクセスすることができます。

参考記事:テンセント メタバースを駆使した新車マーケティングを展開へ

参考記事:T-Mobile, DT uncover some cool metaverse technologies for retail


メタバースは、あらゆる規模の企業が探求し、活用できる膨大な可能性を秘めています。バーチャルショップやショールーム、バーチャル教室やカンファレンスなど、物理的な世界とはまったく異なる体験をビジネスにもたらす可能性があります。

ぜひ、自分のビジネスで何ができるか考えてみてください。

メタバースに関連する新技術は?未来の可能性を考える

メタバースの新技術

メタバースは、新しい時代を切り開く未来的な技術です。しかし、メタバースを取り巻く技術にはどのようなものがあるのでしょうか。本稿では、メタバースにまつわる新技術を詳しく解説します。ユーザーは、メタバースの技術的な側面やその発展について知りたいと考えています。

このパートを読むことで、最新のメタバース技術を理解し、将来の可能性を考えることができます。また、メタバースに限らず、新しい技術について知ることは、ビジネスの発展や個人のスキルアップにつながります。この記事を読むことで、最新の技術動向を知り、自分自身のために活かすことができます。

メタバースにおけるAI技術の進化

メタバースにおいて、AIの重要性と普及はますます進んでいます。AIは電子機器のインターフェースとして機能し、ユーザーがより自然な方法で仮想環境とコミュニケーションできるようになるため、強力なツールです。また、AIは様々なソースから収集されたデータを読み取り、理解することができます。

例えば、AIは大量の画像を素早く分析し、画像や映像の中にどのような物体が存在しているかを判断することができます。さらに、AIは自然言語処理(NLP)などを用いて、メタバースにおける没入感のある体験の創造を支援することができます。

また、AIは、ソーシャルゲームやバーチャルリアリティなど、さまざまなインタラクティブな体験の創造に活用することができます。

今後、メタバースにおいてAIはさらに強力になり、有用性を増していくと思われます。AIを活用したエージェントは、ユーザーごとにパーソナライズされた体験を生み出すのに役立つかもしれません。さらに、AIは、シミュレーションの世界を作り、新しい技術を探求し、ユーザーに新しいサービスを提供するのに役立つかもしれません。

メタバースにおけるブロックチェーン技術の応用

ブロックチェーン技術は、デジタルワールドを構築するための安全な分散型プラットフォームを提供するため、メタバースに革命をもたらしています。ブロックチェーンにより、ユーザーは安全に取引を行い、デジタル資産の所有権を維持することができます。

さらに、ブロックチェーンは、安全な仮想世界の構築、デジタルIDと所有権の処理、プログラム可能なスマートコントラクトの実行に使用することができます。

ブロックチェーン技術をメタバースに応用することで、より安全でユニークなユーザー体験を実現することができます。例えば、ユーザーはブロックチェーン技術を利用して、ゲーム内資産の移動を追跡したり、ユーザー情報を安全に保存したり、仮想の土地を借りたりすることができます。

さらに、ブロックチェーンを利用したスマートコントラクトにより、開発者はデジタル資産の取引に基づく仮想経済を構築することができます。


メタバースは常に進化しており、それに伴い関連する技術も進化しています。ここでは、AIとブロックチェーン技術、そしてそのメタバースへの応用について解説しました。

AIを使えば、開発者はパーソナライズされた没入感のある体験をユーザーに提供することができます。また、ブロックチェーンを使えば、ユーザーはデジタル資産を安全に保管し、取引することができることが期待されています。メタバースが成長し、進化するにつれて、関連するテクノロジーも進化していくでしょう。

メタバースでできないこともある?

メタバースでできないこととは

メタバースはまだ新しい技術であり、プラットフォームごとに大きな差があります。例えば以下のようなものです。

  • NFTの非対応や独自の通貨での取引などで親和性がそこまで高くないこと。
  • 全メタバースで同じアバターを使うこと。
  • 開発ツールがプラットフォームごとに異なること。

これ以外にも、これまで利用してきて個人的に感じている点としては

  • 発展途上なため、利用用途が限定的。
    (どう使えば?で終わってしまうケースが多い)
  • 上記の理由で飽きやすい。
    (発想力と開発力が物を言うので、空間があるだけでは意味がない)
  • 個人・小規模事業者規模のビジネス層の活用事例が非常に少ない。
  • オンラインショップのような使い方は現時点では現実的ではない。
    (出来なくはないが、一般的にECサイト設立に比べると難しい)
  • メタバースのスペースそのものの認知拡大が難しい。
    (一般的な認知がまだあまりないため、「だから何?」となりやすい)

など、実はできることがかなり多いはずなのに、そのパフォーマンスが十分に発揮できていません。

また、プラットフォームごとに得意不得意があります。ゲーム開発に向いているものもあれば、イベントなどの空間設営にむいているものもあります。ですので、ここまでで様々な技術などをご紹介してきましたが「プラットフォームによる」となります。

まとめ

メタバースは、現実と仮想世界が融合した新しい世界観を指し、ビジネスや娯楽、社会インフラなど、多様な分野で活用される未来の技術です。メタバースでできることは、アバターを通じてコミュニケーションを取ることや、仮想空間内で商品を販売すること、VR技術を活用したバーチャル観光など、非常に多岐にわたります。

メタバースのメリットとしては、場所や時間にとらわれずにコミュニケーションが取れることや、新たなビジネスチャンスが生まれることが挙げられます。一方、メタバースのデメリットとしては、現実世界との区別がつかなくなることや、プライバシーの問題があることがあります。

また、メタバースには課題も存在しており、技術的な課題や社会的な課題があることが分かりました。しかし、メタバースの将来性は非常に高く、今後ますます注目されることが予想されています。

最後に、メタバースはまだ新しい技術であり、今後の発展が期待される分野です。我々もこの未来の技術について知り、活用することが求められています。