「アクセス解析が大事なのは分かっている」
「GA4も一応、開いたことはある」
それでも、気づくと画面を閉じてしまい、何も変わらないまま時間だけが過ぎていく。
多くの個人事業主が、同じところで立ち止まっています。
特に40代になり、仕事の経験も実績も積んできた人ほど、「本当は数字を見たほうがいい」と分かっているのに、「何を見ればいいのか分からない」状態に陥りがちです。
これは、あなたが数字に弱いからではありません。
GA4の操作を覚えていないからでもありません。
問題は、アクセス解析が「判断するためのもの」として整理されていないことです。
アクセス解析というと、専門的な指標や細かい分析をイメージしがちですが、個人事業主にとって本当に必要なのは、そこではありません。
・このブログは、今うまくいっているのか
・どこに手を入れるべきなのか
・次に何をすれば前に進むのか
これが分かれば十分です。
この記事では、アクセス解析を「数字を読む作業」から「次の一手を迷わず決めるための仕組み」として捉え直します。
GA4の使い方解説は行いません。
指標を網羅することもしません。
その代わり、数字が苦手でも、分析が得意でなくても、判断だけはできる状態をどう作るかに集中します。
なお、より網羅的な情報については、こちらの「AIマーケティングの活用と導入戦略 最新事例とメリットを徹底解説」をご覧ください。
Unlimited Potential代表 佐藤旭 広告収益のみを狙う「ブロガー型メディア」ではなく、同一ブログ上にて物販・コンテンツ販売・自社オンラインサロン販売・自社コンサルティングサービス販売を多面展開する「集客用資産メディア」の構築を個人・法人クライアントに指導するこの道10年の専門家。
ブログ・Webメディア集客の専門家 / 書籍「UP-BLOG」著者（厚有出版）
この記事の目次
なぜアクセス解析は「何を見ればいいか分からなくなる」のか
アクセス解析について調べると、「まずはこの指標を見ましょう」「次にここを確認します」という情報が次々に出てきます。
ページビュー、ユーザー数、滞在時間、直帰率、エンゲージメント…。
GA4を開けば、さらに多くの数字が並んでいます。
結果として、多くの人がこう感じます。
「結局、何を見ればいいのか分からない」
この状態は、決して珍しくありません。
むしろ、真面目に向き合おうとしている人ほど陥りやすい状態です。
原因は大きく分けて三つあります。
一つ目は、数字が多すぎることです。
アクセス解析ツールは、本来チームで使うことを前提に設計されています。
すべてを一人で判断しなければならない個人事業主にとって、情報量そのものが過剰なのです。
二つ目は、見る順番が示されていないことです。
指標の説明はあっても、「最初にこれを見て、次にこれを判断する」という流れは、ほとんど書かれていません。
そのため、数字を見ても思考が前に進まず、画面を閉じてしまいます。
三つ目は、正解がどこにも書いていないことです。
数字は出ているのに、「で、この記事は直すべきなのか」「今は様子を見るべきなのか」という判断までは示されていません。
この三つが重なると、アクセス解析は「見るほど分からなくなるもの」になります。
ここで重要なのは、これは能力やセンスの問題ではない、という点です。
アクセス解析が「判断する前提」で設計されていないだけなのです。
次のセクションでは、この前提をひっくり返し、アクセス解析の目的そのものを整理し直します。
アクセス解析の目的は「分析」ではなく「判断」である
アクセス解析という言葉から、多くの人は「分析すること」を想像します。
数字を細かく見て、原因を掘り下げて、改善点を洗い出す。
確かに、それは間違いではありません。
しかし、個人事業主にとってそれが本当に必要かというと、話は別です。
個人事業主にとってのアクセス解析の目的は、分析することではありません。
目的は、次に何をすべきかを決めることです。
この二つは、似ているようでまったく違います。
分析とは、情報を増やす行為です。
判断とは、行動を一つに絞る行為です。
多くの人がアクセス解析で疲れてしまうのは、分析を頑張ろうとするからです。
数字を理解しようとし、意味を調べ、解釈に迷い、結局、何も決められなくなります。
しかし、判断に必要な情報は、実は多くありません。
アクセス解析で考える問いは、次の三つだけで十分です。
- このブログは、全体として伸びているのか
- 足を引っ張っている記事はどれか
- 次に手を入れるべき場所はどこか
この問いに答えられるなら、それ以上の分析は必要ありません。
重要なのは、指標から考え始めないことです。
「この数字は何を意味しているのか」ではなく、「このブログは今、前に進んでいるのか」という問いを先に置く。
指標は、その問いに答えるための材料にすぎません。
アクセス解析を「理解する作業」から「決めるための作業」へ。
この視点を持つだけで、数字との距離は一気に縮まります。
次のセクションでは、なぜこの考え方が特に40代の個人事業主に必要なのか、その理由を整理していきます。
40代個人事業主に「フル分析」が向かない理由
アクセス解析について調べていると、「しっかり分析しましょう」「データを深く読み取りましょう」という言葉をよく目にします。
しかし、40代の個人事業主にとって、この「フル分析」は現実的ではありません。
理由は単純です。
使えるリソースが限られているからです。
個人事業主は、企画も、制作も、営業も、改善も、すべて一人で担っています。
そこに「分析担当者」としての時間まで加えるのは、無理があります。
さらに40代になると、若い頃のように長時間数字と向き合う集中力を前提にするのも難しくなります。
仕事の質は上がっていても、気力や体力は有限です。
もう一つ、見落とされがちな問題があります。
それは、数字が感情に影響しやすくなることです。
毎日アクセス数を見ていると、増えた日は安心し、減った日は不安になります。
この状態が続くと、冷静な判断ができなくなります。
結果として、
- 必要以上に焦って手を入れる
- 本当は触らなくていい部分を直す
- 逆に、動くべきところで止まってしまう
こうしたズレが起きやすくなります。
40代個人事業主に必要なのは、「たくさん分析できること」ではありません。
疲れずに、ブレずに、判断できることです。
だからこそ、フル分析を目指すのではなく、最初から「続けない前提」で設計する必要があります。
AIが得意なこと／人間がやるべきこと
ここで、AIの話をします。
アクセス解析にAIを絡めると聞くと、「AIが答えを出してくれる」「考えなくてよくなる」と期待する人も少なくありません。
しかし、その考え方は少し危険です。
AIは便利ですが、判断の代行者ではありません。
役割を正しく分けることが重要です。
AIに任せてよいこと
AIが得意なのは、数字そのものを処理する作業です。
例えば、
- データ全体の要約
- 一定期間の傾向整理
- いつもと違う数値の変化を見つけること
大量の数字を見て、「最近はこういう動きがあります」「この時期だけ数値が落ちています」と整理する作業は、人よりAIのほうが向いています。
ここでのAIの役割は、数字を人が読める形に翻訳することです。
難しい言葉で説明させる必要はありません。
要点が分かれば十分です。
人間がやるべきこと
一方で、人間がやるべきことははっきりしています。
- どの記事を直すか
- どの記事は触らずに置いておくか
- 今のフェーズで何を優先するか
こうした判断は、そのブログや事業の背景を知っている人にしかできません。
AIは、「候補」を出すことはできます。
しかし、「どれを選ぶか」は決められません。
だからこそ、AIにすべてを任せるのではなく、判断の材料を整理してもらう存在として使う。
この距離感を保つことで、アクセス解析は一気に現実的になります。
次のセクションでは、この考え方を前提にしたUP Blog式のシンプルなアクセス解析の全体像を提示します。
UP Blog式：アクセス解析のシンプルな全体設計
ここまで読んでいただいて分かるとおり、UP Blogではアクセス解析を「深く理解するもの」だとは考えていません。
UP Blog式のアクセス解析は、迷わず次の一手を決めるための最低限の設計です。
考え方は、とてもシンプルです。
- 見る指標はごく少数
- 毎日は見ない
- 月1回で十分
- 次に何をするか決めたら、すぐ閉じる
これが基本形です。
アクセス解析を習慣化しようとすると、「毎日見なければ」「ちゃんと追いかけなければ」と、自分に負荷をかけがちです。
しかし、個人事業主にとって重要なのは、解析を続けることではありません。
前に進み続けることです。
数字を見て、「この記事は手を入れる」「これは今は触らない」と決められたなら、それで役割は終わりです。
深追いはしません。
考えすぎもしません。
アクセス解析にハマらないこと自体を、価値として設計しています。
このブログで扱う解析／扱わない解析
ここで、このブログにおける記事の立ち位置をはっきりさせておきます。
この記事では、アクセス解析に関するすべてを扱うつもりはありません。
むしろ、意図的に扱わないものを決めています。
このブログで扱う解析
このピラーで扱うのは、判断に直結する要素だけです。
具体的には、
- 何を基準に判断するか
- どの順番で数字を見るか
- 迷ったときにどう考えるか
- 実際にどう決めていくかという思考の流れ
「どう操作するか」よりも、「どう考えて決めるか」を中心に扱います。
数字が苦手な人でも、ここを押さえておけば判断できる。
その状態を作ることが目的です。
このブログで扱わない解析
一方で、次のような内容は扱いません。
- GA4の画面操作の解説
- 初期設定や細かい設定方法
- 指標を網羅的に説明すること
これらは重要ですが、判断力を高める直接の助けにはなりません。
すべてを知ろうとすると、かえって迷いが増えます。
このブログでは、迷わないために、あえて捨てるという選択をしています。
アクセス解析は、行動を止めるものではない
アクセス解析というと、どうしても「難しい」「面倒」「時間がかかる」というイメージが先に立ちます。
その結果、数字を見ること自体がプレッシャーになり、行動が止まってしまう人も少なくありません。
しかし、本来のアクセス解析は、行動を止めるためのものではありません。
次に何をすべきかを、迷わず決めるための道具です。
すべての数字を理解する必要はありません。
毎日チェックする必要もありません。
詳しく分析できなくても構いません。
- このブログは前に進んでいるか
- 今、手を入れるべき場所はどこか
- 次に取る行動は何か
この三点が判断できれば、それで十分です。
アクセス解析を「分析の作業」から「判断のための仕組み」へと位置づけ直すことで、数字を見る心理的なハードルは大きく下がります。
リライトの判断は速くなり、次に何を書くかで迷う時間も減ります。
分析は、足枷ではありません。
正しく設計すれば、アクセス解析は行動を前に進める羅針盤になります。
数字に振り回されるのではなく、数字を使って決める。
それが、UP Blogが考えるアクセス解析との付き合い方です。
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